〇時事通信iJAMPで首長コラム連載中!
〇荒木 義行 熊本県合志市長のコラム
(2011年7月11日配信時事通信社iJAMPより)
★目指すは「ドラえもん」のような職員づくり
熊本県合志市長・荒木義行
合志市は、熊本市の北東部に隣接する人口5万5000人の市です。少子高齢化社会にあって、熊本県内で人口の増加が見られる市は、熊本市と合志市だけです。しかし、本市の昼夜間人口比率は100を割っており、熊本市のベッドタウン的な都市となっています。私は、2006(平成18)年に合併して5年目、新市の2代目首長として10(平成22)年4月から市政を任されています。
地域に飛び出す公務員を応援する首長連合の趣旨に、「公務員が自分の時間を活用して、一国民、一地域住民として、職場や家庭における役割に加え、プラスワンとして、社会貢献活動、地域づくり活動、自治会、PTA、消防団、NPO法人などの活動に参画することは、国民、地域住民と思いを共有し、ひいては現場の国民目線、住民目線で行政を推進することにつながる」と書かれています。このことは、私が常々思っていたことであり、「地域に飛び出す公務員を応援する首長連合」の話を担当職員から聞くと同時に、この首長連合に参加させていただきました。
市長に就任以来、機会あるごとに私の口から出る「自分の時間を活用し、地域住民として地域づくりに携わってほしい」と言うメッセージに、市役所で働く職員も行動を起こしてくれています。今回掲載していただいている写真は、昨年、地元テレビ局主催の「ふるさとCM大賞」への応募作品を作成しているときの写真で、地域に飛び出す公務員を応援する首長としての初仕事だとも言えます。地域を愛する職員が、学生や市民団体のメンバーとグループをつくり、アフターファイブを利用して多くの市民の方々を引き込みながら、合志市のCM作りに取り組んでくれました。このCM作りで頑張る市民や職員から出演依頼があれば市長としても断るわけにも行きませんし、私もいつものスーツ姿からジーンズに長靴、麦わら帽子と、用意された衣装に着替え、ちょっと恥ずかしかったのですが、楽しく出演させていただきました。その結果、見事行政の部銅賞受賞、副賞として20回分のCMが放映され、市の宣伝に大きく貢献してくれています。
職員がスーツを脱いで、市民と一緒に汗をかきながら地域で頑張る、まさしく私が望んでいる活動です。私のローカルマニフェストの中に「ドラえもんのような職員づくり」という項目があります。このローカルマニフェストの内容は「必要な物がすぐに出てくるドラえもんの不思議な四次元ポケット。色々な視点で物事を捉え、みんなの夢をまちづくりに活かすことのできる行政職員。市民の要望に優しく、素直に応えることができ、フットワークの軽い行政職員・組織を目指します。自由に使える研修費を用意し、自主的な研修に取り組ませ、市民ニーズを的確に捉え、スピーディーな対応ができる四次元ポケットを持った職員づくりを目指します」というものです。
職員と市民が協働してイベント開催や事業提案ができ、より自由な発想で事業が生まれ、地域に貢献できる職員を育て、応援していきたいと考えています。
私も職員と共に、新しい公共や住民協働といった行政と市民、市民間の新たなパートナーシップを構築し、市民の方々に信頼される市役所づくりに取り組んでいるところです。(了)
(2011年7月11日)
荒木 義行(あらき・よしゆき)氏のプロフィール
1958年生まれ、専修大学法学部中退。77年警視庁警察官、86年国会議員秘書、95年熊本県議会議員(4期)。2010年4月「未来に誇れる合志市づくり」を掲げて合併後の第2代市長に就任、現在に至る。
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