〇時事通信iJAMPで首長コラム連載中!
〇小坂 泰久 千葉県酒々井町長のコラム
(2011年7月21日配信時事通信社iJAMPより)
★地域の相談に対応できる「総合職員」を育成
千葉県酒々井町長・小坂泰久
今、日本は、少子高齢化の進行、それに伴う購買力の低下、経済・資本のグローバル化の中で日本企業の競争力の低下など、国および地方の税収は大幅に低下し、一方で高齢化に伴う社会保障費が増大しています。また、平成の大合併、地方分権時代の到来等、ここ10年で地方公共団体を取り巻く環境は大きく変化し、厳しい財政事情を背景に、多くの団体において、行政の効率化や健全財政への取り組みが行われています。
そうした中、今後も行政サービスを維持・向上していくためには、職員の意識改革と能力アップは必要不可欠であり、職員が自ら課題を発見し、その解決策を考え、そして実行する能力がどれだけ備わっているかによって、その自治体の将来が、大きく変わってくるものと思っています。
わが酒々井町は、人口約2万人余り、面積は19平方キロメートルとたいへん小さな町です。
現在、町内には約40の自治会があり、防犯、福祉(独居老人の把握)、子育てに関する相談、自助共助の体制づくりのお手伝い等々、自治会共通の、また、地域ごとの課題に対し、きめ細かな対応が求められています。
こうしたことから、当町では、職員の中からそれぞれ地域担当員を選任し、地域と行政とのパイプ役として地域活動を支援し、地域とのつながりを強くする取り組みを行っています。
また、自発的な職員の取り組みとしては、現在、酒々井町職員ボランティア「美SHISUI21」が環境美化活動として、勤務時間外に町内の清掃を行うなど、地道な地域活動の芽が育ち始めました。
今後は、さらに職員自らが率先して地域に飛び出し、地域活動を通じて住民との信頼関係を深められるような環境づくりのため、首長として、支援や体制づくりに努めてまいりたいと考えます。
また、時には自分自身も応援隊として出動し、地域の活動を盛り上げてまいります。
しかし、地域住民との信頼関係を築くということは容易ではありませんので、職員一人ひとりの総合性・総合力を高める必要があり、職務における専門性の他に、地域のあらゆる相談に応じられる対応力を身につけた「総合職員」となれるよう人材育成に努力してまいりたいと考えます。
地域に飛び出す公務員を志す職員の皆さんには、ぜひ、自己研鑚(さん)と自己改革を重ね、全国に志を同じくする仲間とのネットワークにより大いに交流を深めていただき、挑戦し続ける公務員であってほしいと念願しています。(了)
(2011年7月21日)
小坂 泰久(こさか・やすひさ)氏のプロフィール
1948年千葉県印旛郡酒々井町生まれ。早稲田大学教育学部理学科を卒業後、72年に千葉県庁に入庁。県土整備部大多喜整備事務所長、県土整備部河川計画課長などを歴任し、2005年12月酒々井町長に初当選。現在2期目。生活機能の整った歩いて暮らせる成熟したまち、すべての人が安心して暮らせる「コンパクトシティ酒々井」を目指した取り組みを進めている。
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